2010年6月3日木曜日

Ogilvy中国訪問

中国のコーポレートツアーは、広告代理店のOgilvy社でした。広告代理店ということで、中国マーケットの概要とユーザの傾向について話を伺うことができました。

ユーザの傾向については、中国では、所得が増えている一方で、中流階級はまだまだお金をもらっても生活とのギャップがあるということです。white colorのお金をもらいつつも、生活費があがってしまっているため、blue colorの家に住まざるを得ないということだそうです。クラスメートからの話で本当かどうかわかりませんが、中国では、男は車と家をもっていないと結婚できないようで、両親が家を売却して、そのお金で息子に家を与え、自分は賃貸に住むみたいな話があると聞きました。これは本当かどうかよくわかりませんが、生活レベルが向上して、結婚に求めるレベルもあがっているということなんでしょう。

彼らは、上流階級の暮らしに憧れる一方で、結局日常製品を買わざるを得ない層であるため、こうした層にアプローチする広告として、日常製品、例えば市販で売られているような牛乳や30元(約420円)くらいのワインでも、一流ブランドのような高級感をだすようなCMでluxuaryにみせて販売、訴求していました。ワインのCMでは、ヨーロッパ風に社交パーティの中で、男性がスタッフにワインを求めます。市販のワインだと、ワイングラスが割れてしまったり、注ごうとしたら、ワイングラスに入らなかったりするのですが、広告のワインでは、ワインがきちんとワイングラスに注がれ、またテーブルが割れても、ワイングラスは無事という内容でした。シャトー系のワインならまだしも、セブンイレブンで売られている30元のワインに高級感あふれるCMを使っています。牛乳は、リゾート地のような場所で、あたかもトロピカルジュースを飲むように牛乳を飲んでいました。日本でも中流階級は上の階級にあこがれをもつ層もいると思いますが、それでも日常製品にまで高級感をみせたものをみたことがなかったので、ユニークなアプローチをしています。

また、都市部をいくつかの分類にわけ、4-6 tierと呼ばれる60-80万人都市が発展してきているという話がありました。北京や上海のような大都市につながる衛星都市のような場所です。60-80万人くらいの都市の発展によって、昔ながらのdistribution systemはなくなっているようです。リアカーで荷物を運搬する彼らのことですね。その代わりに運送業者が対応したり、電化製品とかも大型店が進出することで、町並みを変えているようです。こうした環境の変化の中でeCommerce、タオバオが発展していると聞きました。ある程度distribution systemが発展し、街が発展した環境の中で、internetがつながり、eCommerceが発展しているんだと思います。

それに伴って中国のインターネット利用者が増え、Blogでは1.8億人が毎日利用しているようです。top blogerになると、何百万人ものアクセスがあるとかで、こうした人は、investment advisorとして企業へ投資、アドバイスをしているのだといってました。ただ、googleの箇所でも書いたような政府が介入する利用制限は課題として残っています。

最後に中国人の特性としてNationalismに対する意識の高さを取り上げていました。2008年の北京オリンピックの聖火リレーで、パリである人が聖火リレーを止めようとしましたが、それに伴うフランス系企業のパッシング(例えばカルフールに対する不買運動)がありましたが、ほかにもこうしたことは起こっているようです。
TOYOTAのある車の広告は、車が橋を渡り、その橋のデコレーションにある動物が描かれていました。おそらくデザイナーとしてはそこまで深く考えなかったのでしょう。ところがこの構図が、盧溝橋をイメージさせるような広告だと受け取られ、中国のNationalismに反応してしまったようです。結局広告の取り下げることになりました。

google同様、中国でビジネスをしている企業の話は、中国ビジネスのユニークな視点を得られ、非常に参考になります。外資系で中国でうまくやっていくということは、両社の話を聞くとハードルが高い気がします。中国だけではなく、他の国も国内の産業を守ろうという保護主義はあると思います。

中国での生活

人が多い。
中国に来て、生活をすると目立つのがいたるところに人が多いってことです。レストランにしろ、ホテルにしろ、無駄な人件費が目立ちます。私の住んでいるホテルには、ゲートがあるんですが、これが無意味なんです。ゲートでなにか確認しているわけでもなく、車が来てもそのまま通過できるんですが、なぜかそこにゲートがあって人がいるんです。また、深夜にホテルに帰ってくると、深夜にもかかわらず受付ロビーに5~6人います。そんなに大きなホテルでもないので、深夜に人が来ることはめったに無いのですが、それでも人がいるんです。忙しそうにしているかと思えば、そうではなく、何か楽しげにガードマンと談笑しているんで、無駄といえば無駄なんですよね。

また、駅に行くと無意味な荷物チェックがあります。これもよくわからない。いちおうセキュリティを通過しているんですが、よくわからないでいると、そのまま通過できてしまっていて、これじゃなんのためのセキュリティだかよくわかんないんですよ。

中国は人口が多いからそのための仕事を割り当てなければいけないのか、いたるところにある無駄な人件費が目立ちました。

また、中国のインターネット事情はインフラという意味で言えば日本よりも快適だったりします。カフェでインターネットするのは当たり前で、無料で接続できます。24時間やっているカフェもあるので、勉強するのに大変役に立ちました。ただ、明かりが暗いのが玉にキズですね。もう少しあかりがあれば最高の勉強場所でした。

2010年6月2日水曜日

google谷歌 訪問

クラスメートの友人がgoogleオフィスにいるということで、急遽オフィス訪問をすることができました。しかもオフィスの場所は授業を行っているビルの裏側。北京についた初日からgoogleオフィスを見ていたいと思っていたので、願いがかないました。

googleオフィスは他国のブランチ同様、自由な企業文化が残っています。ジュースや食べ物、フィットネスが無料ということもそうですが、ミーティングルームやプリンターにも自由に名前をつけられています。中途社員が入社されると、その社員に一定の金額を渡して、自分の座席を自由にデコレーションしてよいそうです。これはうらやましいです。見学した階は、そこまでデコレーションに凝ったものはありませんでしたが、それでも自転車が置いてあったり、日本のアニメを集めている人がいたりと、それぞれに楽しんでデコレーションされていました。自分の会社では、帰宅時に机の上のものをすべて片付けてから帰るようにいわれていたので、そこから比べるとだいぶ文化がちがうものだなと感じました。

組織も、ヒエラルキーによる権限が強いわけではなく、可能な限りフラットな組織体系になっているようです。評価の仕方もグループ内にお互いに評価し、それをマネージャーがみることができるようになっています。新しく入社する中途社員の方には、日本的な部長や課長の権限圧力によるディレクションというよりも、ファシリテーターに近いような役割をマネージャーに求めていると話をするそうです。話をうかがったマネージャーの方はおそらくそういったコミュニケーションを円滑にするための部署のマネージャのようで、組織人事や社内のコミュニケーションについて話を伺うことができました。(とはいっても、時間が限られていたので、聞けたのは評価の話まででしたが)

また、中国の今までの参入戦略と今後の見通しについて大まかに話を伺いました。中国独特の政治に課題が残るといった印象です。インターネット業界の話で言えば、法律の規制制限と規制なしがおおきく事業を左右しており、それをどうにかしない限り、中国で成功するイメージを持つことができませんでした。

googleは、

規制によるニュース、コミュニティサイトの制限
規制のないecommerce, music, movieの問題

の2つを抱えています。googleのもつYoutubeやBlog、Newsの一部は制限がかけられ、自分たちのアセットを十分に活用出来ていません。かたや、不正音楽、動画のダウンロードについては、googleはbusiness ethicsとして検索から除外していますが、他サイトではだしっぱなしです。ユーザとしては、まさにそういった音楽や動画のダウンロードが人気があるようで、それをみられないgoogleは、ユーザに対する提供価値といった面でもおとってしまいます。

こうした2重苦に苦しみながらも、長期的に利益がでるように今後もgoogleは中国でのビジネスを考えていきたいといっていました。

同じインターネットでビジネスをする企業をみて改めて中国で行うビジネスの難しさを体感することができました。

taxについての議論

Financeの授業で現在価値のケースの中に現実をあまりにもサマライズしすぎているために、議論をよぶようなものがありました。問題はある資産の売却に伴う現在価値の計算と単純なもの。しかし、よくよく考えてみると、売らない方が減価償却費が効いてtax shieldがききやすいので、そもそもなんで資産を売却するんだとCPAのVenuがtax shieldについて説明しました。日本で授業をしていたら、問題文にしたがって、回答するだけなのに、このインド人Venuはまた面白いこというなと思いました。Prof.Kimもincredibleと賞賛していました。

しかし、翌日撤回。クラスメートが計算してみると、減価償却費を鑑みても、やっぱり売った方が安いという結果だったのです。

ところが、さらにVenuが反論。実はtax shieldに使われる税は法人税と資産売却に伴う税は違うとのことで、その税効果を見ればやはり売らない方がいいとのことでした。国によってそれは違いますが、考慮しなければいけない項目であることには間違いありません。

Venuやクラスメートの問題に取り組む姿勢もそうですし、Prof.Kimの学生の質問に対して紳士的に対応する姿勢も見習うべきところです。MBAは、1つのケースで、誰しもが同じような勉強をすると思いますが、その密度の濃さは参加している学生や教授がいかに現実に即して、どういった解釈が考えられるのかといったことを深く考えられるかどうかにかかっているのではないかと思いました。とても面白い議論の展開でした。

2010年6月1日火曜日

ファイナンスの教授、Prof. Kimのlesson

ファイナンスの教授である、ファイナンスの教授、Prof. KimはGMBAの立ち上げに携わっただけではなく、1998年の韓国の金融危機の時にも、韓国側の代表団の一員として交渉にあたった偉い人でもあるのですが、同時に彼の姿勢は尊敬に値します。

例えば、彼のAdaptabilityがあります。
初日の授業で、事前に配布されていたテキストが実は大学院生向けのものではなく、大学生向けのものだったことが判明しました。教授がみているページが、自分のもっているページ数とあわないのでおかしいなと思ったら、どうやらそもそも教科書が違っていたとのこと。同じ著者が2つの教科書を書いていたために間違っていたようでした。授業は、教科書を事前に読んでバックグラウンドの知識をつけてから臨まないと、ついていけないスピードですすむため、教科書がなければ、ファイナンスの知識のない私は、授業そもそもについていけなくなってしまいます。教科書は授業にとって必須だったのに、その教科書がないなんて。私がProf. Kimの立場だったら、頭の中が真っ白になって授業どころではなくなってしまいます。

しかし、Prof. Kimは、これは、crisis managementのよい機会だといって、すぐにスタッフに自分のもっている教科書をコピーさせ、後ほど配布し、授業は、それを使わずに、自分のシラバスを中心に進めました。教科書が違う、どうするみたいなところで3時間の授業の30分くらいは消費していたはずなのに、終わってみると、きちんとスケジュールにそった形で授業が終わっています。授業の進め方の手際のよさに圧巻しましたし、同時に何でも教訓として考える教授の姿勢は見習うべきところだと感じました。

また、decision makingについても、彼の経験を通じて"actually visit and see"の大切さを教えてくれました。例えば中国のshopping mallは、建設するのに5年かかるそうです。彼はそれを自分が取締役になっている会社を通じて話を聞き、また実際に現地を訪れることで体感しています。彼のこうした実体験は、ファイナンスという、授業としてはなかなか実態がわきにくい科目の中で、実際にビジネスでどのように活かされていくのかをイメージする手助けとなってくれました。理論だけではなく、実際のビジネスの現場でどのように使われていくのかを知ることで、自分の現場での比較もできるようになりますし、またファイナンスの授業を面白いと感じることもできました。ファイナンスに限らず実際のビジネスでvisit & seeしてみないと本当に自分の身になったとは言えないということを感じました。


ファイナンス授業の最後に、教授が1998年に起きた韓国の金融危機について話をしてくれました。彼の体験は今までの授業を通じて、非常にためになる話ばかりでしたが、このIMF介入の話題が最も衝撃的でした。韓国人である教授は、IMFが結局韓国を助けるためではなく、韓国をネタにお金を稼いだヘッジファンドや欧米銀行をどう助けるのかということに終始していたことに憤りを感じていました。結局、IMFは韓国ではなく、彼らを助けたいがために介入していると。交渉は、一方的な展開だったそうですが、ある事件をきっかけに話がまとまります。話の展開は意外でしたが、それ以上に教授が主張したかったのは、コンプライアンスでした。1998年の韓国をはじめとするアジアの通貨危機は、ファイナンスの穴をつく、ヘッジファンドの動きで始まりますが、こうした穴に対してきちんとした法整備をしていくべきだという話でした。

今まで授業を通じて学んできたことは、ほんのファイナンスのかじりの部分ですが、その先にあるファイナンスの面白みについて知ることができましたし、ファイナスを今後勉強し続けていくことで、日ごろニュースに出ている金融状況の本質についてきちんと知ることができるようになろうと思うことができました。

なお、今年は米国で相続税が無料になるとのこと。Daughterだけが元financial analystであり、現在AppleでiTuneのマーケティングをしているbusiness woumanということで、彼女だけが自分の資産を有効に活用してくれるだろうと冗談で話をしていました。

中国の初日

中国にきて初日。インターネットに接続してみると、Twitter, facebook, google blogが使えない。。。(ちなみに楽天広場も見られません。)更新が止まりました。僕が見ているほとんどのページの閲覧が検閲によって止められています。仕方がないので、メモ帳に書きだめして、あとでアップロードすることに。

北京にきてまず一番の印象はとにかく人が多い。そして空気が悪い。タクシーのエアコンの調子がわるいので窓を空けていると、ほこりっぽい空気が来て、すぐに喉や手をあらいたくなります。建築ラッシュでばんばんビルを立てている様子が見れるので、そういった建築現場や、工場からの空気の汚染が原因なのでしょう。

1ヶ月ステイする場所は清華大学といって中国でトップ5に入る大学の近くなのですが、空港から行く途中に北京オリンピックの会場を抜けました。オリンピックの周辺は何もかもが綺麗です。建物もモダンな建築が多く、やはり一番印象的なのは鳥の巣のスタジアムですね。

クラスメートからの情報によると、鳥の巣は一つ一つとして同じものがない素材から作られます。つまり素材はマスで一気に作るのではなく、一つ一つ設定を変更する必要があるのです。イメージするだけでも膨大な時間がかかりそうです。それでも中国の膨大な予算によって短期間で作られたのが、あのスタジアムなのだそうです。そう聞くと、なんだか中国のパワーを感じますね。

もう一つパワーを感じたといえば、モーターショウです。ちょうど5/2までの開催なので、いってみました。東京ビッグサイトだか幕張メッセとかでやっているって話は聞いていましたけど、北京の会場はその2つの建物よりも大きな展示場で開催していました。中国の国産からヨーロッパ、アメリカ、日本、韓国のメーカーまでみなさんの規模の大きさに驚かされます。さらにそこに訪れる中国人も、すごい。残念ながらホンダと日産とマツダを見ることができなかったのですが、トヨタやワーゲンでみんなどんどん試乗しています。本気で購入を検討しているような感じがします。さらにヨーロッパの高級車のエリアは、人が多すぎて動けないほどです。ランボルギーニでは、1組の夫婦が購入を考えて中でスタッフとずっと話をしていました。

中国のパワーはすごいってみなさん言いますけど、それを肌身で感じました。人も多ければ、その人のエネルギーもまた強いです。積極的で、時に攻撃的で、でも向上心あふれるようなそんなパワーを感じることができました。韓国から中国にうつって、今まで日本だけでは感じられないようなことを考えることができて、このプログラムに参加したよさを感じることができました。またおいおい中国で感じたことをブログに載せていこうと思います。

不思議な空間、DMZ

韓国のカルチュラルツアーはDMZの訪問でした。朝鮮戦争から50年以上経った今でも、韓国と北朝鮮に分裂されたままですが、その境界線上にDMZがあります。はじめに戦争の様子がなまなましくでている、電車の銃弾の痕跡を見学しました。銃痕が電車の車輪を貫いている跡や、電車の側面を激しく撃たれた跡などがあり、当時の激しさを表していました。

そこから今度は橋を渡り、第3トンネルへ向かいました。朝鮮戦争で壊れた橋を復元したものです。韓国の政治が北朝鮮に対して太陽政策をとっていた頃に復元されたようです。ここからの空間は、今まで過ごしてきた空間よりも若干空気が張り詰めたような雰囲気を感じました。バスで向かっていく途中の景色に、人の姿がほとんどいないので、どことなく物寂しい雰囲気が漂っています。でも、日本の田舎のような温かさを感じることはできず、天候が曇っていたせいもあってなのか、暗い気持ちにさせられます。

見学した第3トンネルとは、北朝鮮がソウルを攻めるために地下にトンネルをつくって韓国領土に潜入しようとした跡地になります。今まで4度、トンネルを作っていましたが、この第3トンネルが一番ソウルに迫った距離に作られており、見学できる場所になっています。写真はとれないので中を見せることはできませんが、地下までもぐると、よくこんなところにトンネルを作るなと思うくらい深いところにありました。ずっと坂を下っていくのでちょっとしたエクササイズです。

次に見学したのは都羅展望台です。展望台からは北朝鮮の街が見えます。川を挟んで数十メートルのところに両国の国旗があり、互いに監視状態となっております。展望台の端からは写真をとることができないのですが、ちょっと離れたところからであれば写真をとることが可能でした。韓国の軍隊もこの展望台では警備が厳しく、ちょっとでも韓国の設備や、写真不許可地域で写真をとった疑いがあると注意されました。戦争の膠着状態を物語っているような重々しい雰囲気を感じられます。(ちょうどこのときは北朝鮮のミサイル問題の疑いがある状態だったので厳しかったのかもしれません。)

最後に見学したのは、都羅山(トラサン)駅と呼ばれる場所です。韓国、ソウルから列車でいくと、北朝鮮の国境手前の駅になります。戦争前は列車がつながっていたようですが、今は北朝鮮の国境前で閉じられており、両国の緊張状態が解けたあとに、北朝鮮とのつながりをまっている駅でもあります。改札口には憲兵が立っていました。また、利用はないのですが、国境らしく税関があったり、乗り場の看板には既に平壌方面の文字があって、平壌まで何キロという表示もあったりしました。

駅の改札には南北鉄道締結後のユーラシア大陸横断鉄道の路線図があり、これによれば、統一後はヨーロッパまで一本の線路でつながることになっています。第3トンネルや都羅展望台とは違って、南北の統一を願って、駅がつながりをまっている雰囲気が、なんとなく希望を感じられました。

日本に住んでいると、なかなか戦争の実態についてわからないことが多いですが、こういうDMZのような地域を訪れることで、よい経験ができました。DMZに入ると、人がほとんどおらず、また、いても軍隊しかいないのでどことなく生活感がなく、温かみを感じません。同じ民族でも国が別れてしまった悲しみを感じることができたと思います。

Samsung、韓国企業の力

Samsungをコーポレートツアーで訪れました。今までSamsungの製品は、実際に見る機会が少なかったので、日本の技術力よりも劣っていると思っていたこと、ただ、雑誌で見る限りシェア1位になっている分野が多いので安さで新興国市場のシェアを奪っているのかと思っていました。
しかし、実際に見て圧巻だったのはSamsungの技術力は日本の電機メーカーを凌駕していると感じられたことです。プラズマテレビは日本のメーカーよりも薄く、大きなものを作れていますし、アバターによって注目されている3Dのテレビも見ることができました。デジタルカメラは、レンズの隣に画面があって、自分をそこからとることができる機能は、マーケットインの発想を感じられるような、よい機能でした。携帯電話はアルマーニとの連携したデザイン携帯だけではなく、カメラの高解像度機能付きだったり、超小型携帯であったりと、日本のメーカーと同等、もしくはそれ以上の製品がリリースされています。日本市場ではなかなかみることはできませんが、グローバルに考えれば、Samsungはもはや世界の名だたる超大型企業だと言うことを改めて感じることができました。

セミコンダクターの高い利益率によって生まれる資金とMBA、理系PhDの積極採用によってR&Dに力をいれるとともに、税金がほとんどかかっていないことによってNet Incomeを十分に蓄えることができています。

ほとんどの業界でグローバル1位を目指していく発表に、日本企業では感じられない、強いエネルギーを感じました。しかし、98年の金融危機から10年での復活、韓国企業はSamsungだけではなく、グローバルを目指し、そこでの利益によってさらなる発展を遂げています。

かたや日本。「ガラパゴス化」といったキーワードを強く感じさせられます。独自の標準によって、外資系企業が参入できない環境をつくりつつも、グローバルに進出できていない。オペレーションの問題がありつつも、それ以上に国内の既得権益の保護のためにグローバル進出に消極的な企業の姿勢が原因ではないかと考えさせられてしまいます。インターネット企業も、国の昔ながらの法律によってわけのわからない制限がかけられています。医薬品の問題にしろ、またe-learningにしろ、未だにインターネットでは制限が掛かっています。隣国韓国の優良企業を見ながら、同時に日本の今後の経済に大きな不安を感じました。

ところで、話はかわりますが、プレゼンの質疑応答では会長の辞任からの復帰の話はうまくかわされ、また、Appleと比較してコピーじゃないかという質問に対しても、無難な回答でたいした情報は得られませんでした。まぁ、そりゃそうですよね。

韓国の文化を通じて感じること

韓国はもともとの人口が少ないという市場の小ささから、世界に対する目の向け方が本当に早いと感じます。例えばKT。(日本で言えばNTTドコモみたいな会社。でも規模は1/3くらい)この間かコーポレートツアーということで会社見学にいってきました。

この会社は通信会社で、規模から考えるとドコモの1/3くらいの大きさですが、海外進出が積極的です。しかもその投資先もロシア、ウズベキスタン、アフリカ、ラテンアメリカ、バングラデシュと新興国というよりエマージングマーケットに近いようなところに投資しています。通信会社の場合、そもそものインフラ設備投資があって、それをベースに投資回収していくので、例えばある程度発展している国の場合、インフラがすでに競合が引いていて、その中で競合に勝っていかなければならず、また逆にまだ発展に時間がかかるような国の場合、インフラの設備投資の回収に時間がかかってしまうといったジレンマが発生してしまいます。KTの場合はワイヤレスの技術によってインフラの設備投資額を減らし、現地法人とのタイアップによって参入を図っているようです。

とはいっても、政府の後押しがあっての投資のような感じもするのでこれから先どうなるかわかりませんが、それでも韓国でのマーケットを大きくしていくというよりも海外展開へ積極的にすすめていくというのは、会社のスピードから考えると日本以上に早い段階で行っているように思えます。この間見学したクラスメートの会社であるCosmaxも同様ですね。

また、wifiの普及率が高いといううれしいことがあります。ミョンドンでの話も書きましたが、通りでwifiに無料でアクセスできてインターネットができるというのは、日本ではできなかったことであり、韓国の普及率の高さを感じました。世界的にインターネットのブロードバンド化の流れの中でいちはやくその流れにのっているように感じます。

そう考えると、世界標準(といいますかアメリカ)からローカル標準になっているのかなと感じることもありました。例えば、車の方向、ハンドルの位置。また、雑誌もアメリカ中心のものがほとんど。おかしのサイズもキングサイズでした。電車のdepositもアメリカであったような。。。定かではありませんのであしからず。

ただ、日本に比べてサービスが悪いなぁと感じることがあって、そういうところは逆に日本の標準レベルが高いせいなのでしょうね。エレベータがぜんぜんこなかったり、タクシーの運転手が普通に乗車拒否をしたり、平気で道を間違ったりと、日本では考えられませんでした。日本ではタクシーにのったら、目的地まではちゃんとたどりつけるけれど、韓国では最後まで大丈夫かな?と心配しながらいて、結局間違ってました、みたいなこともありました。日本のサービスレベルの高さをうかがえました。