2010年6月1日火曜日

ファイナンスの教授、Prof. Kimのlesson

ファイナンスの教授である、ファイナンスの教授、Prof. KimはGMBAの立ち上げに携わっただけではなく、1998年の韓国の金融危機の時にも、韓国側の代表団の一員として交渉にあたった偉い人でもあるのですが、同時に彼の姿勢は尊敬に値します。

例えば、彼のAdaptabilityがあります。
初日の授業で、事前に配布されていたテキストが実は大学院生向けのものではなく、大学生向けのものだったことが判明しました。教授がみているページが、自分のもっているページ数とあわないのでおかしいなと思ったら、どうやらそもそも教科書が違っていたとのこと。同じ著者が2つの教科書を書いていたために間違っていたようでした。授業は、教科書を事前に読んでバックグラウンドの知識をつけてから臨まないと、ついていけないスピードですすむため、教科書がなければ、ファイナンスの知識のない私は、授業そもそもについていけなくなってしまいます。教科書は授業にとって必須だったのに、その教科書がないなんて。私がProf. Kimの立場だったら、頭の中が真っ白になって授業どころではなくなってしまいます。

しかし、Prof. Kimは、これは、crisis managementのよい機会だといって、すぐにスタッフに自分のもっている教科書をコピーさせ、後ほど配布し、授業は、それを使わずに、自分のシラバスを中心に進めました。教科書が違う、どうするみたいなところで3時間の授業の30分くらいは消費していたはずなのに、終わってみると、きちんとスケジュールにそった形で授業が終わっています。授業の進め方の手際のよさに圧巻しましたし、同時に何でも教訓として考える教授の姿勢は見習うべきところだと感じました。

また、decision makingについても、彼の経験を通じて"actually visit and see"の大切さを教えてくれました。例えば中国のshopping mallは、建設するのに5年かかるそうです。彼はそれを自分が取締役になっている会社を通じて話を聞き、また実際に現地を訪れることで体感しています。彼のこうした実体験は、ファイナンスという、授業としてはなかなか実態がわきにくい科目の中で、実際にビジネスでどのように活かされていくのかをイメージする手助けとなってくれました。理論だけではなく、実際のビジネスの現場でどのように使われていくのかを知ることで、自分の現場での比較もできるようになりますし、またファイナンスの授業を面白いと感じることもできました。ファイナンスに限らず実際のビジネスでvisit & seeしてみないと本当に自分の身になったとは言えないということを感じました。


ファイナンス授業の最後に、教授が1998年に起きた韓国の金融危機について話をしてくれました。彼の体験は今までの授業を通じて、非常にためになる話ばかりでしたが、このIMF介入の話題が最も衝撃的でした。韓国人である教授は、IMFが結局韓国を助けるためではなく、韓国をネタにお金を稼いだヘッジファンドや欧米銀行をどう助けるのかということに終始していたことに憤りを感じていました。結局、IMFは韓国ではなく、彼らを助けたいがために介入していると。交渉は、一方的な展開だったそうですが、ある事件をきっかけに話がまとまります。話の展開は意外でしたが、それ以上に教授が主張したかったのは、コンプライアンスでした。1998年の韓国をはじめとするアジアの通貨危機は、ファイナンスの穴をつく、ヘッジファンドの動きで始まりますが、こうした穴に対してきちんとした法整備をしていくべきだという話でした。

今まで授業を通じて学んできたことは、ほんのファイナンスのかじりの部分ですが、その先にあるファイナンスの面白みについて知ることができましたし、ファイナスを今後勉強し続けていくことで、日ごろニュースに出ている金融状況の本質についてきちんと知ることができるようになろうと思うことができました。

なお、今年は米国で相続税が無料になるとのこと。Daughterだけが元financial analystであり、現在AppleでiTuneのマーケティングをしているbusiness woumanということで、彼女だけが自分の資産を有効に活用してくれるだろうと冗談で話をしていました。

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